一人が,邪道で抜け駆けを図る。
この邪道は,みなに真似られ,すぐに追いつかれる。
まただれかが抜け駆けを図り,追いつかれる。──これの繰り返し。
このような体で,国立大学全体がつぎのことをするようになった:
- 豪華な広報誌を作成・配布する
- 高校訪問
- 遠隔地で入試を受けられるようにする
- 東京にサテライトを置く
みながこれをやれば,やった意味はなくなる。
しかし,みながやるようになったときには,これから抜けるのは不利となる。よって,抜けられない。
こうして,みなが一様に余計なコストを背負い込むことになる。
このように,競争主義はコスト削減の逆を行く。
| 註 : |
コスト削減は,つぎの形でのみ可能:
「グローバル体制と世界的格差構造」の利用
(「安いものを外からもってくる」)
しかし,このやり方も真似られ,一般化する。
こうして,窮状だけが進行する。
「余計なコストを背負い込みつつ,窮状を進行させる」が,競争主義の結果。
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