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「リテラシー教育」のゴール

作成: 1999-05-20 更新: 1999-05-20

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• 「リテラシー教育」のゴールの立て方は，一通りではありません。
  
  
• ゴールの立て方を決定的に分けるものの一つとして，消費者指向と生産者指向の別があります。
  
  
• たとえば，「インターネットの利活用」という主題を消費者指向で考えれば，「他人のつくったコンテンツを上手に利活用できる」をゴールにできます。一方，生産者指向で考えれば，「自らコンテンツをつくり発信する形での利活用ができる」がゴールに含まれねばなりません。
  
  

  例：	「インターネット社会で活躍できる起業家育成」をゴールとする「教育」は，生産者指向で組み立てられることになります。

  
  
• 公教育（一般教育）の場合，消費者指向と生産者指向の間に折り合いをつけることは，ほとんど絶望的です。
  その一つのよい例が「数学教育」でしょう＾＾
  
  
• 公教育（一般教育）を生産者指向で組み上げてしまうと，それは大多数にとって無縁な教育になります。だからといって消費者指向で組み上げてしまうと，生産者的人材を社会に供出できなくなります。
  
  
• そして，公教育（一般教育）が埋めなかった箇所は他の誰かが埋めなければならない，ということがあります。
  ここに，公教育（一般教育）の役割/担当領分というものが，具体的な問題としてもちあがってきます。
  この問題の切迫度は，各学校の立場や，小・中・高・大学等の別でも異なってくるでしょう。
  
  
• こういうわけで，公教育で「リテラシー教育」のゴールをどのように立てるかは，一つの決断です。互いに相対的な立場のうちから一つを選ぶということです。
  よい決断とわるい決断があるわけではありません。いずれにも得失/功罪があります。決断はどのようなときも確信犯的決断です。
  
  
• 例えば，つぎの選択肢に対するあなたのこたえはどのようになるでしょう：

			あなたが担当し ている公教育で
コンピュータ の上手な利活用	コンピュータの操作		必要	必要ない
	ファイルシステムの理解		必要	必要ない
	コンテンツ作成	テクスト	必要	必要ない
		静止画	必要	必要ない
		動画	必要	必要ない
		サウンド	必要	必要ない
	デジタル・プレゼンテーション		必要	必要ない
	作業を省力化/効率化 するためのプログラムを自作 フロー・チャート 文法 以前に作成したプログラムから 使える部分を引用 デ・バグ		必要	必要ない
インターネット の上手な利活用	ホームページ	情報をゲット	必要	必要ない
		ファイルのダウンロード	必要	必要ない
		ホームページを自作して情報を発信	必要	必要ない
		グループワーキング	必要	必要ない
	電子メール	電子メールによる通信	必要	必要ない
		メーリングリストの利活用	必要	必要ない
	インターネット電話/チャット		必要	必要ない
マルチメディア の上手な利活用	効率的/経済的に情報を作成/保守/発信 「情報のデジタル一元化」を利用		必要	必要ない
	情報デザイン マルチメディア・パワーを使って， 情報をわかりやすく/魅力的に/高品質に デザイン		必要	必要ない