Up HTML の応答 作成: 2025-06-28
更新: 2025-06-28


    ChatGPT の応答は,HTMLタグを用いて入念に修飾されている。
    この HTMLテクストの生成は,Transformer の能力のうちということになる。

    一見,応答の生成を最初から HTML でやるというのは,あり得ないことのように感じる。
    しかし少し考えると,HTMLテクストの生成が Transformer には合っているが,わかってくる。


    Transformer は応答を,木構造ベースの入れ籠構造でつくる。
    即ち,上位レベルと下位レベルの間の降ったり昇ったりを
      「籠を作って中に入り,そこでの処理が済んだら,
       籠を作ったときの元の場所に再帰する」
    のアルゴリズムでやっている。
    そして HTML は,この再帰アルゴリズムを明示的に表現する言語なのである。

    HTML は,テクストの入れ籠構造をタグでつくる:
     「タグ "< ‥‥>" を以て籠を作ってその中に入り,
      そしてタグ "< /‥‥>" を以て籠を解消して外に出る」


    こうして,Transformer は,プログラムの作成全般が得意である。
    プログラムは,「入れ籠構造=再帰アルゴリズ」だからである。
    というより,そもそも Transformer は,テクストをプログラムとして作成しているわけである。

    Transformer を,「再帰の鬼」と見るべし。
    Transformer のやっていることが,よく見えてくる。